バイアグラとは
バイアグラ(シナデナフィル)
- 勃起を助ける薬
勃起不全(ED)に用いる - 働き
男性の勃起不全あるいは勃起障害のことを、
ED(Erectile Dysfunction)と呼ぶようになりました。
このお薬は、勃起を助けるED治療薬です。
陰茎の海綿体平滑筋の緊張をゆるめ血流を
よくすることで、十分な勃起に導きます。
心理的要因による“心因性”のもの、神経や血管
など体に問題のある“器質性”のもの、あるいは
心因性と器質性の“混合型”のいずれにも有効です。
服用後、約30分から4時間の間に、性的刺激が加わることで効果が発現します。
局所に作用しますので、性欲を亢進させる働きはありません。 - 薬理
陰茎の勃起を止める酵素PDE5(ホスホジエステラーゼ タイプ5)を阻害します。
この作用から、PDE5阻害薬と呼ばれています。 - 臨床試験
国内外で多くの臨床試験が行われています。
症状にもよりますが、おおよそ70~90%くらいの割合で有効とされます。 - 特徴
高い有効性と安全性をもつ世界初の本格的ED治療薬です。
効果の持続時間はやや短いです。
- 診察で
- 心臓病など持病のある人は、
医師に報告しておきましょう。 - 心臓や血圧の薬など服用中の薬を、
必ず医師に伝えてください。
- 注意すること
重い心臓病や脳卒中などがあり、性行為そのものが危険と判断される場合は使用できません。
極度の低血圧やコントロール不充分な高血圧の人も使用できないことがあります。
このような場合、性行為自体が心臓や脳血管に
負担になるうえ、この薬の心血管系に及ぼす
影響でさらに危険性が増大するためです。- 適さないケース
重い心臓病や脳卒中、ひどい低血圧、
管理されていない高血圧、重い肝臓病、
目の網膜の病気(網膜色素変性症)。
- 適さないケース
- 飲み合わせ・食べ合わせ
狭心症や心不全の治療に使う硝酸薬、
いわゆる「ニトロ」と呼ばれる薬と併用しては
いけません。
併用により急激に血圧が下がることがあり、
非常に危険です。
これらの併用による死亡例も報告されています。硝酸薬には飲み薬のほか、貼り薬(テープ)や
口内スプレー、注射剤などさまざまなタイプが
ありますので注意が必要です。
また、α遮断薬に分類される降圧薬や排尿障害
治療薬を飲んでいる場合は、低用量(25mg)
から開始するなど慎重に用いる必要があります。- 飲み合わせの悪い薬
ニトログリセリン(ニトロペン、その他)、
硝酸イソソルビド(ニトロール、その他)、
ニコランジル(シグマート)、
ニプラジロール(ハイパジールコーワ)、
アミオダロン(アンカロン)、
リオシグアト(アデムパス)など。
- 飲み合わせに注意
α遮断薬(バソメット、ハルナール等)、
シメチジン(タガメット)、
エリスロマイシン(エリスロシン)、
クラリスロマイシン(クラリス、クラリシッド)、
イトラコナゾール(イトリゾール)、
テラプレビル(テラビック)、
リトナビル(ノービア、カレトラ、ヴィキラックス)、
インジナビル(クリキシバン)、
サキナビル(インビラーゼ)、
リファンピシン(リファジン)、
フェニトイン(アレビアチン、ヒダントール)、
カルバマゼピン(テグレトール)、
フェノバルビタール(フェノバール)、
デキサメタゾン(デカドロン)、
ボセンタン(トラクリア)、
降圧薬など。
- 飲み合わせの悪い薬
- 使用にあたり
- 約1時間前に飲んでください。
服用後1時間前後がもっとも効果が高まり
ます。
ただし、食事とともに飲むと、効果発現時間が遅れることがあります。 - フィルム製剤(ODフィルム)は唾液ですぐ溶けます。
ただし、口の粘膜からは吸収されませんので、唾液もしくは水で確実に飲み込んでください。 - 1日1回までとし、服用間隔を24時間以上
あけるようにしましょう。
- 約1時間前に飲んでください。
- 食生活
服用後、一時的に物の色が異常に見えるなど
視覚障害を起こすことがあります。
また、めまいを起こすこともありますので、
車の運転や高所での危険作業には十分注意して
ください。 - 用法
通常、成人は1日1回シルデナフィルとして
25mg~50mgを性行為の約1時間前に経口服用
する。
高齢者(65歳以上)、肝障害のある患者及び重度の腎障害(Ccr<30mL/min)のある患者については、
本剤の血漿中濃度が増加することが認められて
いるので、25mgを開始用量とすること。
1日の服用は1回とし、服用間隔は24時間以上
とすること。 - 副作用
比較的多いのは、頭痛とほてりです。
これらは血管を広げる作用によるものなので、2、3時間もたてばたいてい治ります。
とくに心配ないでしょう。国内の治験データ
では、頭痛は157例中20例(12.74%)、
ほてり16例(10.19%)となっています。
少数例ながら「持続勃起症(プリアピズム)」が海外で発症しているようです。
もし、勃起が4時間以上続くようでしたら、
直ちに医師の診察を受けてください。
そのほか、特異な副作用として視覚異常があらわれることがあります。
「青いめがねをしているよう」
「青と緑の区別がつかない」
といった異常な見え方がするようです。
多くは一過性で心配いりませんが、著しい視力の低下をともなう非動脈炎性前部虚血性視神経症(NAION)のリスクも報告されています。
万一、急激な視力低下や視力喪失が現れた場合には
速やかに眼科専門医の診察を受けてください。
- 重い副作用 めったにないですが、初期症状等に念のため
- 硝酸薬との併用による急激な血圧低下
- 持続勃起症(プリアピズム)
4時間以上痛みを伴う勃起が続く(すぐ受診)、陰茎組織損傷、勃起機能の喪失
注意ください。
- その他
- 頭痛、ほてり、潮紅、鼻づまり
- めまい、血圧の変動、動悸、頻脈
- 視覚異常、彩視症、光視症
視界が青くみえる、黄色くみえる、かすむ、
まぶしい、キラキラした光が見える